脳腫瘍の中で最も悪性度の高い神経膠芽腫の治療抵抗性の要因として、腫瘍幹細胞の存在や腫瘍内低酸素環境の存在が挙げられる。申請者らはCu-ATSM PETを用いて、神経膠芽腫内における低酸素領域を可視化する方法を報告してきた。またCu-ATSMが高集積する神経膠芽腫内から分離した細胞株をマウス脳内へ移植し、膠芽腫細胞株の樹立に成功した。これらの脳腫瘍モデルを用いて、Cu-ATSMが頭蓋内腫瘍に集積する機序の解明を図るとともに頭蓋内腫瘍に対して内部放射線照射を目的としてCu-ATSMをマウスへ投与し、濃度依存的な抗腫瘍効果を確認した。現在集積機序について多角的に検討を図っている。
|