研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍細胞が他臓器へ転移、浸潤するには、浸潤先の環境に適応する必要がある。細胞自体の形質を転換する上皮間葉系移行は、この環境適応のために重要なメカニズムの一つと考えられている。本研究の結果は、脳悪性腫瘍の代表である神経膠腫において、この間葉系メカニズムが腫瘍浸潤に関与していることを示唆した。上皮間葉系移行関連転写因子である、Slug, TWIST, ZEB2、その下流因子であるMMP9が重要因子として同定された。腫瘍浸潤に関連する分子同定は、将来の分子標的治療へと繋がる研究結果である。
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