Wntは、βカテニンを介する古典経路と、それを介さない非古典経路によって骨形成を調節する。非古典経路のリガンドであるWnt5aは様々な細胞において古典経路に対して抑制的に働く。しかし骨芽細胞分化においては、古典経路と非古典経路は互いに協調しあい、非古典経路のリガンドであるWnt5aは、古典経路の共受容体であるLrp5/6の発現を調節することで古典経路を促進し、骨形成に対しても促進的に働くことが報告されている。本研究の結果、骨芽細胞系の悪性腫瘍である骨肉腫においても、Wnt5aは同様の作用を持つことが示唆された。さらにWnt5aの作用が骨肉腫の臨床成績と相関していることが示唆された。
|