日本白色家兎24羽に対して修復困難な棘上筋腱断裂を作成し、その4週間後に自家大腿筋膜グラフトを用いて肩上方関節包再建術を行なった。術後4、8、12、16週で各6羽ずつ屠殺して肩関節を採取し、移植筋膜実質部と上腕骨側および肩甲骨側の骨縫着部における経時的な組織学的変化について調査した。大腿筋膜グラフトの骨縫着部においては、上腕骨側、肩甲骨側ともに継時的に軟骨細胞の数が増加し、II型コラーゲンからなる線維軟骨が形成されることが明らかとなった。さらに、グラフト実質部は、線維芽細胞と膠原線維の配列が継時的に長軸方向に沿って配列し、腱/靭帯様組織へとリモデリングされることが示された。
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