膝関節を構成する靭帯を損傷することで靭帯内に存在する膝の角度や位置を感じる機能が喪失し、それを反映して脳活動の変化が起こる。健常な膝の人と比較すると、脳の感覚を司る部位の活動が低下し、代償的にその周囲にある元来別の働きを持つ部位の活動が増加することがわかった。さらに、情動面(怖さや不快感)に関する領域の活動が増加していた。これは膝靭帯損傷により膝関節が不安定感になったことが情動面にも影響することを示している。これらの変化は膝靭帯再建術を施行され、物理的な安定感を得たとしても、健常に近づく例、そうでない例が存在し一定の結果とはならなかった。
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