研究課題
若手研究
手根管内滑膜の線維化が主な原因として指摘されている特発性手根管症候群の患者から採取した線維芽細胞を用いて、性ステロイドホルモンが組織線維化に与える影響を明らかにした。本研究結果より、ERαを介したシグナルはCol1A1, Col3A1の発現抑制に関与しており、その作用はERαの発現量に依存する可能性が示唆された。今後、特発性手根管症候群患者の個々の滑膜内線維芽細胞のERα陽性率を正確に把握することで、効率的なエスロトゲン補充療法が新たな治療の選択肢の一つとして使用できる可能性がある。
整形外科
エストロゲンは、骨、筋肉、結合組織の成長および発達に広く影響し、細胞外マトリックスの中心的役割を果たすコラーゲンの発現にも様々な影響を与えていることが知られている。本研究では、手根管内滑膜の線維化が主な病因である、特発性手根管症候群における性ステロイドホルモンと線維化の関連について明らかにした。他の線維化疾患においても性ステロイドの関連は否定できず、本研究成果が他の線維化疾患と性ステロイドホルモンの関連を検討していく上で一助となる可能性がある。