研究課題
若手研究
腎癌の治療標的の1つであるmTORを阻害する薬剤ラパマイシンに対して抵抗性のヒト腎癌細胞株を作成し(ACHN/RR)、非抵抗株と抵抗株で発現する遺伝子の違いを調べたところ、Ankrd1が耐性株で強発現している遺伝子の一つであった。このAnkrd1をノックダウンしたところ、細胞死を抑制する働きがあるBCL2ファミリー蛋白の発現低下と細胞増殖抑制効果が認められた。本研究により、Ankrd1が腎癌に対する新規治療標的となる可能性が示された。
泌尿器科
有転移腎癌に対する治療は近年大幅に進歩しているが、免疫治療に効果を示さなくなった場合は分子標的薬が加療の中心となる。しかし、分子標的薬治療は予後の延長には寄与するものの、ほとんどは治療抵抗性となる。我々は腎癌におけるAnkrd1の働きと阻害による細胞増殖抑制効果を示した。これは、腎癌に対する新規治療標的の開発に貢献されうる。