生体腎移植において虚血再灌流傷害は回避することができず、拒絶反応を惹起し長期の腎生着率低下と関連する。近年活性酸素種による傷害に対する治療方法の一つとして、水素投与が注目を浴びている。しかし飽和水素水の経口摂取と水素ガスの吸入では広く臨床応用することが困難である。我々はシリコンをナノレベルまで粉砕し水と反応させることにより多量の水素を発生させることに成功した。経口投与することにより腸管内で多量の水素分子を生成して抗酸化作用をもたらす。 我々はこのシリコンナノ粒子の経口投与というこれまでにない革新的な方法で酸化ストレスを抑制し、虚血再灌流傷害の軽減効果が得られることをラットモデルにおいて示した。
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