転移性膀胱癌に対する抗癌剤はシスプラチンを用いて治療を行うことが臨床上多いが、治療抵抗性を獲得し病勢が進行し、平均的な予後は1年程度とも報告されている。この抗癌剤抵抗性獲得にマイクロRNAという分子が関与していることが他の癌腫においても報告されており、耐性化機構の解明の一助となる可能性を秘めている。我々は膀胱癌においてシスプラチン耐性を獲得する機序としてマイクロRNA200bという分子が関与していることを解明し、さらに同遺伝子のエピゲノム変化、特にメチル化が関与していることを解明した。同分子は多数の抗癌剤耐性化遺伝子の発現を調整しており、膀胱癌抗癌剤耐性化を克服する可能性が示唆された。
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