患者由来不死化B細胞株を用いた糖鎖解析により、IgA腎症患者では、健常者と比べて有意にPNA結合性が低いことがわかった。これは、すなわちCore1O型糖鎖の多くにシアル酸が結合していることを意味していている。Core1にシアル酸を結合する糖転移酵素はST3GAL1であるが、IgA腎症患者では、健常者と比べてST3GAL1の発現が有意に上昇していた。そこで、ST3GAL1をターゲットとして不死化B細胞株のST3GAL1をKOすると、細胞表面のPNA結合性は健常者と同等なレベルまで回復した。これまで重要と考えられてきたHPAレクチン結合性に関しては、IgA腎症患者と健常者で有意差を認めなかった。
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