骨盤内膿瘍は深部にあるため、培養検査が行ないにくく、検査のないまま治療が始められることが多い。そのまま改善する例もあるが、一定期間経過をみて改善がなければ、穿刺など侵襲的処置が必要となり、結果的に治療期間が延長するため、治療開始時に始めから穿刺の要否が予想できればメリットがある。また培養検査が行なえても、先行抗菌薬の影響や培養されにくい菌などあり、原因菌がわからないことも多い。 治療開始時のMRSから予想できないか検討した。リンパ嚢胞感染症例に限れば穿刺の要否が予想しうる可能性が示唆された。菌種の予想は難しかった。菌種同定にNGSを用いると、培養検査では不明であった原因菌が全症例で同定できた。
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