本研究グループは胚シグナルの候補として絨毛外栄養膜細胞(EVT)に特異的に発現するlaeverin分子を発見し、最近この分子が絨毛由来の胎児・胎盤循環幹細胞に発現している可能性を見出した。そこで、「胎児・胎盤循環内には絨毛由来の幹細胞が存在して随時nicheを胎児本体へ移行し、生後も胚シグナル機構を応用した免疫寛容を得て母親および新生児自身の免疫攻撃から免れて生体内に生息し、生涯に渡って臓器の修復・再生に貢献している」という新たな仮説を立てた。その結果、laeverinは絨毛間質や臍帯血中のCD34陽性細胞の一部に発現しており、その発現は免疫制御に関与している可能性がある。
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