研究課題
若手研究
健聴者由来iPS細胞に対してDFNA5遺伝子変異をCRISPR/Cas9システムを用いて導入し、DFNA5変異ヒトiPS細胞を作成した。DFNA5は難聴遺伝子として知られており、本遺伝子によって生じる難聴のメカニズムの解明を目指して、本iPS細胞より内耳細胞を誘導し正常iPS由来内耳細胞と比較検討を試みた。誘導されたDFNA5を発現する内耳細胞において、異常DFNA5がどのように疾患を生じさせるかを検討し、その分子生物学的特徴を明らかにした。
耳鼻咽喉科学
遺伝性難聴の原因となる難聴遺伝子の一つであるDFNA5遺伝子に注目して研究を展開した。これまでいくつかの難聴遺伝子においてヒトiPS細胞を用いた研究が有用であることが示されているが、DFNA5遺伝子変異においてもヒトiPS細胞を用いた研究が有用であることが示された。今後、同様の手法によってさまざまな検討が進むことにより難聴遺伝子の分子生物学的な機序の解明と治療薬の開発などにつながる可能性があり、学術的意義や社会的意義が高い研究手法と考えられる。