研究成果の学術的意義や社会的意義 |
聴覚機能のおける糖鎖の役割として、過去に報告されている主なものは、①糖脂質であるGM3の合成酵素欠損マウスでは、蝸牛の内、外有毛細胞が脱落し、難聴を呈する(Yoshikawa et al., PNAS 2009)、②ムンプス難聴においては、ムンプスウィルスがヒトに感染する際には、N-結合型糖鎖の構造の一部であるα2-3結合型シアル酸を含む構造が必要である(Kubota et al., PNAS 2016) などがある。これまで内耳に発現するN-結合型糖鎖を網羅的に解析した報告はない。本研究の成果は、発症のメカニズムが不明な内耳障害性難聴の病因解明や、治療開発に役立つと考えられる。
|