ヒトPGCにおいてTRKB発現は、中悪性のAdCCと比較して、高悪性であるSDCで有意に高かった。また、TRKBが高発現であることは、PGC(AdCCおよびSDC)患者の神経浸潤とは関連していなかったが、血管浸潤、リンパ節転移、および予後不良であることと有意に相関していた。最後に、PGC細胞のBDNF誘発性の細胞遊走能は、TRKB特異的阻害剤と汎TRK阻害剤であるラロトレクチニブによって抑制された。これらの結果から、SDCの浸潤性においてBDNF-TRKBシグナルが重要であり、TRKBがPGC患者の治療標的となる可能性を示唆している。
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