本研究の目的はHippo経路エフェクターであるYAP/TAZの脈絡膜血管新生(CNV)への役割を明らかにすることである。レーザー誘発CNVモデルを用いたYAP阻害薬ベルテポルフィン(VP)の効果を解析した実験では、VP処理によりCNV体積は有意に小さい結果であった。そのためVPはYAP阻害作用により、CNV進展を抑制し得る可能性が示唆された。またヒト脈絡膜血管内皮細胞を用いて脈絡膜血管におけるYAPに対するVPの影響を調べ、VP濃度の増加に伴ってpYAPの核内以降が抑制されている結果であった。以上から脈絡膜血管においてYAPが重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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