創傷治癒で重要な働きを有する正常ヒト線維芽細胞から細胞内小器官であるミトコンドリアを単離し、創傷治癒モデルの培養細胞に移植することで、創閉鎖に与える影響を検証した。単離したミトコンドリアは微細形態、機能ともに正常であり、培養細胞と共培養することで細胞内へ移植できることを確認した。ミトコンドリア移植により創閉鎖時間は短縮し、また量依存効果があることが判明した。遺伝子発現解析では、細胞遊走能よりも細胞増殖能の増加を認め、ミトコンドリア移植による創傷治癒促進効果には細胞増殖が関与していることが示唆された。
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