齲蝕罹患に伴い象牙質ではAGEsが蓄積する。その分布は、エナメル象牙境より歯髄へ向かって象牙細管に沿うように蓄積しており、特に細菌の侵入の多いエナメル象牙境付近の齲蝕罹患象牙質では、管間象牙質にまでAGEsの蓄積を認めた。AGEsの蓄積は、健全部においても加齢とともに起こるが、齲蝕罹患によって蓄積量が増加する。特に、架橋型AGEsの一つであるペントシジンが齲蝕罹患によって有意に増加していることが明らかとなった。齲蝕罹患部の蛍光寿命の短縮が認められたことからも、齲蝕罹患により蛍光寿命が周囲基質より短時間であるAGEsが増加していることが考えられる。
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