歯周病は殆どの成人が罹患する可能性がある慢性炎症性疾患である。本研究では、この歯周病の増悪因子の一つである咬合性外傷のメカニズムの一端として、破骨細胞分化因子であるRANKL刺激を受けている破骨細胞前駆細胞が既に生体内で循環していることで、未分化の単球マクロファージ系の前駆細胞よりも破骨細胞への分化が迅速に進むことを示した。 外傷付与後、根分岐部歯根膜組織は硝子様変性し、分岐部中隔は穿下性の骨吸収が起こる。出される血管内皮増殖因子により、破骨細胞の形成が促進されることが示された。歯周病の増悪因子による組織破壊のメカニズムの一端が示されることで、歯周病治療のみならず学術的社会的意義を示せた。
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