本研究では、BRONJの発症機序の解明、さらには予防・治療法の確立を目指す為、細菌感染による炎症が細胞膜インターフェイスに与える影響及び、ビスホスホネートが抜歯後の抜歯窩治癒過程に与える影響の解明を試みた。検討の結果、細胞内取り込み機構としてリン酸トランスポーターの1つであるSLC34が関与し、この機構がグラム陰性菌LPSにより増強され、細胞毒性の増強につながり、顎骨壊死発症を促進されることが示された。また、抜歯窩治癒過程の比較的初期である肉芽組織期において血管障害が多くみられること、さらに、前述のSLC34の阻害剤の抜歯前投与を行うことで、BRONJ発症の抑制効果があることも明らかとなった。
|