本研究では分泌機能が低下した唾液腺に対して、分泌機能を亢進させる因子を同定することを目的として研究を行った。 マウスの片側耳下腺排泄導管を結紮し、片側耳下腺の傷害モデルマウスを作製した。傷害側と非傷害側の耳下腺を用いてDNAマイクロアレイを用いた解析を施行した。コントロールの耳下腺と比較して、傷害側の耳下腺で発現量が2倍以上増加した遺伝子の中から分泌機能亢進因子の候補の抽出を行った。本研究で我々は、細胞の分化や増殖に関わる遺伝子として知られているBmp2を唾液腺機能亢進因子の候補として検討を進め、耳下腺腺房細胞初代培養細胞において、BMP2は細胞増殖を促進させる作用があることを見出した。
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