日本では軟食化に伴い咀嚼回数は激減しており,さらに,不規則かつ栄養バランスの偏った食事摂取により様々な生活習慣病の若年齢化が大きな問題となり食育の重要性が注目されている。歯科界においては2018年に口腔機能発達不全症という症病名が保険収載された。小児の口腔機能低下の危機感の表れだと考えられる。口腔機能発達不全症については、臨床研究の貢献が大きいと考えられる。しかし、本研究の結果は臨床研究とともにそれを下支えでき、実態にも沿った基礎研究となったと考える。必要な栄養素をサプリメントで補給するといった現代型の食生活が多くなってきている中で本研究の結果は、その現状に警鐘を鳴らす結果であると考えられる。
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