本研究では、エナメル上皮腫の浸潤発育に関わる因子について、独自に構築した三次元培養実験系と動物実験系を用いて解明し、同因子を標的とした分子標的療法などの新規治療法の実現の一助となる知見を得ることを目的とした。異なる組織型のヒトエナメル上皮腫不死化細胞株であるAM-1(叢状型由来)、AM-3(濾胞型由来)を免疫不全マウスへマトリゲルとともに移植し、エナメル上皮腫の安定した動物実験モデルを確立した。これにより、今まで困難であった実際の病変に近い環境でのエナメル上皮腫の動態評価が可能となり、病態の異なる様々なタイプのエナメル上皮腫に対する戦略的な治療法の実現に向けた実験を進めることが可能となった。
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