近年、歯科矯正領域において糖尿病を有する患者が増加している。糖尿病は生活習慣病の一つである。近年、新しい糖尿病治療薬として副作用の少ないGLP-1受容体作動薬を含むインクレチン関連糖尿病薬を使用する患者が増加している。このことからインクレチン関連糖尿病薬を使用している糖尿病患者において、矯正学的歯の移動にどのような影響が及ぼされているのか解明されていない。現在、歯科矯正領域において糖尿病を有する患者に対する治療のメカニズムは解明されていないのが現状であり、解明は急務な課題である。糖尿病治療患者に対する矯正学的歯の移動のメカニズムを解明できれば、矯正歯科医療分野に与える波及効果は極めて大きい。
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