2021 年度研究成果報告書

海馬Wnt signal pathwayの変調と鼻呼吸障害改善の生物学的意義

研究課題

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研究課題/領域番号	18K17244
研究種目	若手研究
配分区分	基金
審査区分	小区分57070:成長および発育系歯学関連
研究機関	東京医科歯科大学
研究代表者	沖原秀政東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (80754960)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード	記憶・学習機能
研究成果の概要	実験群マウスは電気焼灼器を用いて左側外鼻孔を焼灼し片側鼻閉塞モデルとした。15週齢での行動実験において、実験群の記憶・学習機能低下が認められた。記憶・学習機能物質の評価に関して、Western blottingより、実験群においてBDNFの有意な増加、Wnt3a、β-CateninおよびTrkBの有意な減少を認めた。RT-PCRより、実験群においてTrkB mRNAおよびBDNF mRNAの有意な減少を認めた。この結果より、成長期における鼻呼吸障害は、記憶・学習機能低下をもたらす可能性が示唆された。
自由記述の分野	歯科矯正学
研究成果の学術的意義や社会的意義	近年、呼吸機能障害が、記憶・学習機能を司る海馬に変性をもたらす可能性が示唆されている。呼吸機能障害と海馬の機能変性に関するメカニズムについて解明することは、早期の呼吸機能障害改善の意義を高次脳機能学的観点から明確にすることが可能となり、先制医療への応用を鑑みると、社会的意義は極めて大きい。したがって本研究を含む研究の全体構想である「呼吸機能障害と記憶・学習機能を司る海馬における機能的・組織生化学的変性の関連を解明する」ことは学術的・社会的意義は非常大きい。