骨細胞を介した交感神経系による歯の移動メカニズムの解明

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18K17272
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分57070:成長および発育系歯学関連
• 研究機関: 愛知学院大学
• 研究代表者: 佐藤 琢麻 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80609868)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 骨細胞 / 歯の移動 / 交感神経 / 骨代謝 / β-遮断薬 / 歯周病

研究成果の概要

本研究では、骨細胞を介した交感神経系による歯の移動メカニズムの解明と新たな歯周病治療薬としての交感神経β-アドレナリン受容体（AR）遮断薬の応用検討を目的とした。β-AR遮断薬は骨細胞からのスクレロスチンおよび RANKL 産生を抑制し、歯の移動距離を減少させることが示された。また、β2-AR遮断薬は歯周炎を予防する可能性が示された。

自由記述の分野

歯科矯正学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究より、歯の移動時において、交感神経系が骨細胞からのスクレロスチンおよびRANKLの産生に関与しており、交感神経系は骨細胞を介して歯槽骨代謝の骨吸収を調節している可能性が示された。また歯周病モデルラットにおいて、β2-AR遮断薬による歯周病予防効果が認められた。将来的な歯周病予防薬としてβ2-AR遮断薬が一つの候補になる可能性が示された。