研究課題
若手研究
本研究は栄養状態や食欲に最も関連する口腔状態の指標やその組み合わせを探索し、高齢者においてこれらが相互にどのように関連しているかを検討することを目的とした。そこで地域在住高齢者(344人)を対象に口腔状態、食欲、低栄養に関する調査を行った。その結果、いくつかの口腔状態に関する変数は調整後も食欲の評価指標の因子と有意に関連していた。さらに共分散構造分析より口腔の健康状態に関する変数からなる潜在変数『口腔の健康』は食欲を介して栄養状態に関連していることが分かった。
医歯薬学
本研究で得られた食欲を考慮した口腔状態と低栄養の関連は、幅広い高齢者が使用できる水準化された食支援方法を構築するための確立した評価方法の作成に有用であると考えられる。さらに、特に口腔状態を詳細に検討しているため、専門的な医療を受けない高齢者でも、歯科医院に来院することによって低栄養の予防ができるものになると考えられ、本研究は社会的に大きな意味を持つと考えらえる。