認知症の前駆症状として、口腔内の不定愁訴が出現することが報告されており、認知症の早期発見のために、歯科心身症の問診ツールを使用することを考えた。 具体的には、脳機能画像的な検討と、臨床統計的な解析を行った。脳機能画像での研究では、歯科心身症の中でも、執拗な咬み合わせの違和感が持続する「咬合異常感」について特異的な脳血流所見を見出した。本所見は、認知症での脳血流異常とは異なるものであった。一方、臨床統計的な研究では、外来通院中の歯科心身症患者のうち、2%程度で認知症が認められ、歯科心身症の問診によって早期に発見できた。 歯科心身症の問診を積極的に行う事で、認知症の早期発見に寄与できると考えらえた。
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