本研究の目的は、山梨大学大学院社会医学講座と山梨県甲州市とが1988年より開始し、現在も継続中である共同研究、母子保健長期縦断調査を用い、妊娠初期の母親の炭水化物の摂取状況が出生後の児の発育に及ぼす影響を明らかにすることであった。約30年間の妊娠初期の母親の食事内容をみると、米飯、果物、海藻類、魚介類の摂取頻度は減少し、パン、肉類はわずかに上昇していた。そして、妊娠初期の母親の炭水化物摂取状況と児の低出生体重(2,500g未満)との関連について検討した。低出生体重児の割合は7.6%であり、妊娠初期の母親の炭水化物摂取状況と児の低出生体重には統計学的に有意な関連は認められなかった。
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