炎症の制御あるいは増幅に関わるXCR1陽性樹状細胞に注目し,アセトアミノフェン(APAP)肝障害におけるXCR1+DCの動態と分子メカニズムの解明を目的として実験を行った.野生型及びXCR1遺伝子欠損(KO)にAPAP投与後、経時的に観察した結果,野生型と比較してXCR1 KOにおいて明らかに肝障害の増悪が見られた.野生型でAPAP投与後,肝臓におけるXCL1及びXCR1の発現は,投与10時間で減少した後に増加し,30時間で元の水準に戻ったことから,肝細胞の壊死により一旦減少したXCL1陽性細胞が補充され,それにより肝臓に集まるXCR1陽性細胞がAPAP肝障害において保護的に働くと考えられた.
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