研究課題/領域番号 |
18K17469
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
高山 奈美 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (00459132)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 院内教育 / キャリアラダー / 人材育成 / キャリア開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、東京都下にある中規模病院(以下A施設とする)と大学の協働による看護研究を中核にした院内教育プログラムの介入効果を明らかにし、質の高い看護に向けた研究成果を創出し続ける看護師の育成について検討することを目的としている。本研究における院内教育プログラムの介入効果は、①ラダーⅠの看護師が身に着けた能力(研究1:自己評価)、②看護管理者のコンピテンシー(研究2:自己評価)、③管理者を除く全看護師が感じるワークエンゲージメントやチームワークへの影響(研究3:看護管理者への他者評価を含む自己評価)、以上3つの視点で評価する予定である。 新型コロナウィルス感染症は徐々に落ち着きつつあるが、5類相当に引き下げられたばかりであり、地域医療を支えるA施設は、引き続き慎重な感染対策を実施している。このような状況であるにもかかわらず、予定通り看護研究を中核とした院内教育プログラムを実施してきた結果、受講した病棟の看護職者が「新生児期における清潔ケア方法の違いが皮膚へ及ぼす影響」というテーマで主体的に研究活動に取り組み、新生児の皮膚水分量を保つ清潔ケア方法について検討した。院内教育プログラムの実施を協働している大学教員のサポートのもと、その成果を学会発表し、まもなく学会誌へ掲載される予定である。さらに2023年度はもう1課題の学会発表を予定している。また同時に、本研究の開始に向けA施設の倫理審査へ書類作成を進めている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力および研究対象であるA施設は、新型コロナウィルス感染症の受け入れ施設である。スタッフの負担を十分に考慮しながら、スケジュールの遅れを取り戻すべく少しづつ研究に着手し始めているが、いまだ開始できない状況が続いている。しかし、院内教育プログラムを受講した病棟の看護職者が主体的に研究に取り組み始め、1課題はその成果を発表するに至った。さらにもう1課題は、2023年度の学会発表を予定している。院内教育プログラム受講の延長にある研究活動であるため、このプログラムを協働している教員としてそのサポートを優先している。加えて、一昨年度から続く研究代表者が所属する研究機関の人員不足の影響により、本研究へ思うようにエフォートをさけられない状況から、研究期間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
5類相当に引き下げられた新型コロナウィルス感染症の動向を鑑みつつ、院内教育プログラムの介入効果を明らかにするために、①ラダーⅠの看護師が身に着けた能力(研究1:自己評価によるもの)、②看護管理者のコンピテンシー(研究2:自己評価によるもの)を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象および研究協力施設が新型コロナウィルス感染症対応施設であり、数年に渡り厳しい臨床状況が続いている影響から、研究の進捗が滞っていた。しかし、昨年から少しずつ学会参加が可能となった。2023年度は、少しずつ進めている本研究の文字起こし費用と、病棟看護職者が主体的に取り組んでいる研究の学会発表費用として使用する予定である。また最終年度であるため、臨床における研究活動が少しでもスムーズとなるような環境を整えていく。
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