本研究は熟練精神科看護師と看護学生の視線情報を分析し,看護師の精神症状の観察技術の特徴の明確化が目的である.統合失調症模擬患者の精神症状の観察場面で,非接触型視線解析システムを用い,精神症状を観察している最中の看護師21名と学生20名の視線運動を比較した.分析は,研究者が設定した観察領域で注視時間,回数の総和を求め,看護師と学生の2群で差の検定を行った.上肢の領域で看護師は有意に観察時間が長かった.看護師は学生に比べ,患者の上肢の観察について,一回の観察に長い時間をかけ複数回に分けて観察していることが分かった.臨床経験の長い看護師の観察は暴力の危険予測に特徴があった.
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