本研究の目的は、患者が外来放射線療法によって通院をしながら就労を継続し完遂するための支援方法の一つとして評価ツールを開発することである。評価ツールの開発の基礎資料とするため、独自に作成した評価ツールを用いて、(1)調査対象期間内に、外来通院にて就労をしながら初めて放射線治療を受け、完遂したがん患者のうち、ランダムに抽出された7名を研究対象にした診療録閲覧による後ろ向き調査、(2)調査対象期間内に、外来通院にて就労をしながら初めて放射線治療を受けているがん患者のうち、研究協力が得られた7名を研究対象にしたインタビュー調査、(3)調査対象期間内に、外来通院にて就労をしながら初めて放射線治療を受けているがん患者のうち、研究協力が得られた14名を研究対象にした質問紙調査を実施した。なお、(3)の研究対象者14名には(2)のインタビュー調査の研究対象者7名を含む。すべて予定調査期間内に終了した。 (1)診療録閲覧による後ろ向き調査 A大学病院に外来通院にて就労をしながら初めて放射線治療を受け、完遂したがん患者を放射線科医師の協力を得て、研究対象を選出した。診断名別には、乳がん1名、前立腺がん4名、耳下腺がん1名、乳がん1名だった。 (2)インタビュー調査 インタビュー調査に協力いただいた研究対象者は診断名別に眼のがん1名、咽頭がん1名、直腸がん1名、乳がん2名、前立腺がん2名だった。 (3)質問紙調査 質問紙調査に協力いただいた研究対象者は、インタビュー調査に協力いただいた研究対象者に加え、診断名別に大腸がん1名、乳がん5名、リンパ腫1名だった。 現在、国内雑誌への投稿を視野に入れて論文としてまとめている段階である。
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