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2019 年度 実施状況報告書

統合失調症患者の在宅生活を支援する看護師の交渉コンピテンシー育成プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17512
研究機関高知県立大学

研究代表者

藤代 知美  高知県立大学, 看護学部, 准教授 (60282464)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード交渉 / 統合失調症 / 教育プログラム
研究実績の概要

文献を用い、統合失調症患者の在宅生活を支援する看護師の交渉コンピテンシーの特質を明らかにした。対象文献は、医学中央雑誌、CINAHL、MEDLINEを用いて検索した看護師の交渉コンピテンシーに関する文献、精神科看護師のコンピテンシーに関する文献、精神科看護師の交渉コンピテンシーに関連する文献である。分析の結果、精神科看護師の交渉コンピテンシーは〔知識を活用した対象者理解に基づく方向性の検討〕〔相互理解のための対話〕〔折り合いをつけるための多様な議論〕〔個別性と状況に合わせた押し引き〕〔自己洞察を基にした協働関係の構築〕〔自我機能の強化〕〔チーム内で協働したセルフケア行動の強化〕の7つに統合できた。先の研究成果である5つの交渉方略<固さと脆さへの徹底的な寄り添い><内に潜む可能性と本音の追及><方向づけ><巧みな押し引き><自己決定による合意への導き>と照らし合わせたところ、これらのコンピテンシーは、5交渉方略を支えるコンピテンシーであること、一部の交渉方略はコンピテンシーと内容が一致することが考察された。また、コンピテンシーに注目することによって、看護師の自己洞察や知識の活用、対象者のセルフケア行動、具体的な議論方法に焦点を当てることができた。
次に、交渉方略を習得するための教育プログラムの作成に着手した。これまでの研究成果から、看護師は「脆弱な自尊心」「不得手な親密さ」「固く譲れない意志」「現実認識の不調和」「表現されない文脈」「生活全般に影響する精神症状」「変化する生活能力」に考慮して交渉していることが明らかになっていた。そして、統合失調症をもつ人の自我機能と認知機能の脆弱さに配慮するものであり、タイミングや対象者の尊厳を考慮しながら実施されるものであることが考察されていた。以上の研究成果を基に、事例を用いて交渉スキルを習得できる教育プログラムの素案を作成している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

看護師の交渉コンピテンシーの実態を明らかにするためのアンケート調査を行う予定であったが、研究方法について再検討し、先に教育プログラムの作成に着手した。

今後の研究の推進方策

現在作成しているプログラムに関し、精神専門看護師をはじめとする現任教育に携わる看護師にアンケート調査を行い、プログラムを洗練化する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定では、教育プログラムを作成する前にアンケート調査を行う予定であった。しかし、計画を見直し、先に教育プログラムを作成することとした。
2020年度に精神看護専門看護師をはじめとする現任教育にあたる看護師にアンケートを行い、プログラムを洗練化する。よって、未使用額は2020年度にアンケート調査のために使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 精神科看護師が交渉の中で用いるコンピテンシーに関する文献研究2019

    • 著者名/発表者名
      藤代知美、野嶋佐由美
    • 雑誌名

      高知女子大学看護学会誌

      巻: 45(1) ページ: 12-24

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Aspects of psychiatric nurses’ negotiations with individuals with schizophrenia living in a community : Two cases demonstrating fewer readmissions by nurses’ negotiation2020

    • 著者名/発表者名
      Tomomi Fujishiro, Sayumi Nojima
    • 学会等名
      23rd East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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