拡張型心筋症(DCM)は、心不全(HF)の原因疾患の一つであり、左心室の拡大と収縮能低下を特徴とする心筋症である。運動療法はHFでの治療のひとつだが、DCMではHFの重症化や致死性不整脈が多く、運動療法の効果が明らかでない。ヒト家族性DCMに似た特徴をもつモデルマウス(以下DCMマウス)を用い、若年より頻回の自発的運動を行ったところ、明らかな寿命延長効果が認められた。また、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)でも治療効果を報告しており、ARB投与群、自発運動群、ARBと自発運動の併用群において、心機能および下肢筋への影響を比較した。野生型のマウスでの自発運動の影響についても検証を試みた。
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