経頭蓋電気刺激は軽度な侵襲で脳活動の修飾、機能への影響があることが示されており、スポーツなどを含む広い分野への適応が期待されている手法である。一方で、効果の表れ方に個人差が大きいことから社会への応用には個人差に関連する因子の解明とそれに基づくテイラーメイドな刺激方法の開発が重要な課題である。本課題では先行研究から得られる知見を整理したことで、脳や頭部の解剖学的な特徴および電気的な神経活動の状態が経頭蓋電気刺激の効果である皮質の興奮性に関与している可能性を報告した。今後、経頭蓋電気刺激により修飾した機能とこれらの関連を検討することで経頭蓋電気刺激の広い適応手法が開発されることが考えられる。
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