日常生活において,重力は私たちの身体を常に鉛直下方向に牽引する.そのため,重力が身体を牽引することを私たちは考慮して運動を制御しなければならない.鉛直方向への上肢運動を対象としたこれまでの研究は,脳が重力の作用をうまく利用して運動制御することを示唆している.本研究では,これまでの知見を拡張して,鉛直方向への上肢運動における重力利用の特性が,運動方向および運動速度に応じるかについて行動学的および生理学的アプローチから検証した.研究の結果,鉛直方向への上肢運動において,重力利用の特性が運動方向および運動速度に応じることが示唆された.
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