本研究は、走ることが苦手で短距離走の技能水準が低い子どもの技術的課題を明らかにしたうえで、優先的な指導内容について明らかにすることを目的としたものであった。研究期間内での主な成果として、まず児童期において疾走能力の低い子どもは高い子どもに比べて合理的な疾走動作が身についていないことが明らかとなった。また特に走ることが苦手な児童に対しては、指導によって遊脚の膝の引き付けや身体の真下近くでの脚操作が改善されることで疾走能力が向上するものと考えられた。加えて、走ることが苦手な児童の疾走能力の向上においてはストライドの延長よりもピッチの増加が大きく寄与する可能性があると推察された。
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