研究課題
若手研究
肥満が廃用性筋萎縮を促進させる因子であることが示唆されているがそのメカニズムの多くは不明である。本研究では肥満が筋萎縮の進行を促進させる分子メカニズムを炎症性サイトカインIL-6と筋萎縮原因遺伝子の発現を中心として評価・検討することを目的とした。肥満における廃用性筋萎縮は、骨格筋組織内の筋萎縮原因遺伝子MuRF1や炎症性サイトカインIL-6の発現増加を介してタンパク質合成経路を減弱させ、骨格筋萎縮の進行を促進する可能性が示唆された。
骨格筋
肥満が筋萎縮の進行を促進させる可能性が示唆されている社会的背景として、加齢に伴う筋量減少(サルコペニア)と肥満が組み合わさった病態である「サルコペニア肥満」が歩行障害のリスクを増加させ、寝たきり高齢者を増加させることが問題となっている。本研究の成果は、サルコペニア肥満など肥満と筋萎縮に関連した疾患の治療・予防法の開発への足掛かりになり、寝たきり高齢者の予防・対策に繋がる可能性があると考えている。