放射線疫学研究において放射線線量反応を推定する際、被曝線量の推定値に誤差がある場合、線量の値が小さい領域でも測定誤差を無視することなく補正することで線量反応曲線の形に影響があるかを調べた。原爆被爆者の疫学データの設定を基にしたシミュレーション研究により、測定誤差が線量反応曲線の形に影響すること、そして、線量推定値の誤差の補正方法によって推定される線量反応の形に違いが出ることを示した。さらに、その結果に基づいた議論を通して、国際放射線防護委員会(ICRP)の委員と共同で、今後、放射線防護の議論で重要な資料となり得る、世界各国の集団における放射線の生涯リスクを予測する論文を作成した。
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