研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の神経科学においては, 神経活動の同期によって機能的結合を評価するだけでなく,より広い概念で各領野での相互作用を機能的結合として捉え直す必要性が指摘されている.本研究では, 臨床的な汎用性が高い脳波に対して,各領野での相互作用を動的位相差の複雑性によって評価し,加齢による認知機能の低下や初期の認知症を高い精度で検出したものである. よって,この成果は早期診断や診断精度の向上,更には治療効果の判定が期待できることから,個々の症例に応じたテイラーメイドの治療方針を策定する上で大きく貢献すると考えられる.
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