研究課題/領域番号 |
18K18267
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研究機関 | 大月短期大学 |
研究代表者 |
佐原 彩子 大月短期大学, 経済科, 准教授(移行) (70708528)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 難民 / アメリカ / 記憶 |
研究実績の概要 |
本研究では、インドシナ難民が「難民体験」をどのように語り記憶してきたのかについて、カリフォルニア大学アーバイン校(カリフォルニア州アーバイン)において収集されている元難民あるいは難民であった家族をもつ人々によるベトナム系を中心とした「ベトナム系アメリカ・オーラル・ヒストリー・プロジェクト」(Vietnamese American Oral History Project: VAOHP)に収集されているインタビューなどを史料として、その内容について調査し、彼らの記憶を歴史的観点から考察している。この成果は、2019年に日本アメリカ学会英文ジャーナルへ投稿した論文にまとめた。カリフォルニア大学アーバイン校グローバルスタディーズ准教授Long Buiとの研究に関する情報共有を通して、現在、アメリカの学会誌へ共同執筆論文を投稿中である。学会活動としては、2019年6月1日に開催されたアメリカ学会年次大会の自由論題Aでの討論者を務めた。6月30日に開催された日本移民学会年次大会のランチタイム・トークで司会を務めるなど、研究に関連した学会活動のほか、文献や史料を引き続き研究している。また、難民研究に関連して、6月19日にイタリア、バーリ大学で開催された移民カンファレンスで報告を行った。11月9日、上智大学で開催された、「冷戦人道主義の逆説」シンポジウム「難民が開く日本社会」第1部: 日本におけるインドシナ難民研究の射程、においても報告し、日本におけるインドシナ難民の人びとの体験やその語りにも触れる機会を得た。彼らの体験とアメリカにおける難民の体験を比較研究することなどの着想を得たため、今年度の研究活動に活かしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年夏に史料調査を企画していたが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で変更をせざるをえないため。またその影響がさまざまな状況、図書館利用が制限されるなど、考えていた以上に長期化および深刻化しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年には研究の成果として、共著の出版2冊と論文の出版が予定されている。それらに加えて、ベトナム出身者を中心とした難民と彼らを受け入れた側の人びとの支援活動を、本科研での史料調査を踏まえて論文にまとめたいと考えている。しかし、新型コロナ感染症拡大に伴い、調査や学会報告なども変更を迫られているため、適宜対応していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年春に調査を実施しようと考えていたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で難しくなったため。調査が可能となれば来年2021年度春に確認のための海外調査を実施したいと考えている。
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