研究課題
若手研究
ベトナム難民をその中心としたインドシナ難民がどのように彼ら自身の体験を記憶・記録してきたのかについて、彼らのオーラル・ヒストリーや再定住の背景に関わる史料を分析した結果、インドシナ難民の人々の多くは難民キャンプを通じて英語教育および職業斡旋を受け、受け入れ先のコミュニティで生活を開始させるという経験をしていた。そうした体験を通して、多くの人びとは下方可動性に対峙し、生活を再建するなかで個々の戦争・移動にまつわる記憶を形成してきたことが明らかになった。
アメリカ研究
本研究は、「インドシナ難民は『難民体験』をどのように語り、記憶してきたのか、そしてその記憶がアメリカ社会について何を表しているのか」という学術的問いのもと、救済の客体として捉えられてきた難民の主体性を問い直し、ベトナム難民をその中心としたインドシナ難民がどのように彼ら自身の体験を記憶・記録してきたのかについて分析し、移民・難民研究の系譜において新たな事例を提供した。