研究課題
若手研究
本研究は、認知症者の睡眠障害に着目し、WBの使用効果を検証することを目的とした。睡眠障害を呈した軽度の認知症者を対象に、群内比較試験にて介入前後の睡眠の状況を比較した。その結果、2事例において睡眠時間の増加や夜間中途覚醒回数の減少が見られた。また、1事例は5ケ月間の介入中に昼夜逆転症状が減少し、介護度が5から3に改善した。介護職員の介護度の軽減や意欲向上にもつながった。本研究の結果、認知症者の睡眠障害における薬物使用前の対応として睡眠支援用具を活用できる可能性が示された。
作業療法学
WBは、健康成人や発達障害者、精神病者に対して実証評価が行われ、効果がい示されている。しかし、認知症者を対象とした効果検証に関する文献は国内外共に見当たらない。また、我が国ではWBの本格的な導入に至っていない。そのため、WBを活用することにより認知症者の睡眠障害にどのような影響があるのか、客観的な指標を用いて効果を検証する必要がある.