研究課題/領域番号 |
18K18548
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研究機関 | 国土地理院(地理地殻活動研究センター) |
研究代表者 |
岩橋 純子 国土地理院(地理地殻活動研究センター), 地理情報解析研究室, 主任研究官 (90391698)
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研究分担者 |
西岡 芳晴 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (20357700)
川畑 大作 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (40356853)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60344743)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 地理教育 / 地学教育 / コンピュータゲーム / ゲーム / Mincraft / 仙台 |
研究実績の概要 |
本研究では,探検型のコンピュータゲームを材料とした仕組み作りと,その教育効果の検証を行う.ゲームを通じて知識の探索方法を子供達に伝達すると同時に,バーチャルのみならず,実際のフィールドへの興味を持たせるというゴールへの到達を目指す.副次的な効果として,ゲームという子供の興味を惹きやすいツールを使うことによって,子供に主体的・能動的に課題解決を行う経験をさせること;新しいアプローチで情報を届け,子供に研究者を身近な存在と認識してもらうことを期待している.プラットフォームは,スウェーデンのMojang社が開発したMinecraftを用いた. 仙台市宮城野区上杉地区に位置する宮城教育大学附属中学校では,敷地を共有する附属小学校のグラウンドで2017年に深さ40mのボーリングが掘られ,川村ほか(2018)に,ボーリング柱状図と,それから推定された地層堆積当時の地誌がまとめられている.学校の建物と地下構造・過去の景観を模したワールドを作成し,ボーリング柱状図で見られる地層の堆積環境や成り立ちを時系列で追える設問を,ワールド内に作成した.出来上がったMinecraftデータを宮城教育大附属中に提供し,3月に中1理科の授業が行われた.1コマ45分の授業内で実施され,対象となった生徒数は4クラス約160名である.授業後にアンケートを配布した.宮城教育大附属中での研究授業から,次の事が確認できた.身近な学校を舞台にしたゲームは子供達の反応が良く,知識問題でも飽きずに進める姿が見られた.視覚的にものを理解し記憶に残す事や,面倒な事を嫌がる子に知識を伝達するのにゲームは有効ではないかと考えられる.キー操作等は,ミスタッチを除き中1でも大きな問題はなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲームの作成・課題設定・研究授業の実践まで,おおむね計画通りに進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
宮城教育大附属中学での授業実践を受けて,知識の定着の確認や,先生方との意見交換・アンケート結果の精査によるフィードバックが必要である. 2019年度は,8月に開催される「女子中高生夏の学校(国立女性教育会館主催)」の実験・実習コーナーに出展する予定であり,地形と防災のつながりを主題とする新しいコンテンツの制作を計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた物品購入が他の同年開始の科研費等でまかなえたため。また打ち合わせをSkypeで行えたため旅費が当初予定よりかからなかった。 2019年度も研究授業を複数回予定しているため、ノートPCの購入等を予定している。また、最終年度にあたるため、学会発表を積極的に行う予定。
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