研究課題/領域番号 |
18K18827
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
高田 卓 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30578109)
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研究分担者 |
村上 正秀 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (40111588)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 超流動ヘリウム / 可視化 / 狭小流路 / 準安定状態 / 沸騰 |
研究成果の概要 |
超流動ヘリウム(He II)について、狭隘流路中に容易に形成される過熱状態と沸騰における過熱状態の崩壊要因が何かという問題があった。本研究においては過熱状態の崩壊時のHe II特有の熱対向乱流の状態を調べた。He II中にトレーサ粒子を導入する方法で流速分布から明らかにしようとする試みを行ったが、当初予定していた狭隘流路中のPIVには失敗してしまった。しかし、沸騰直前と沸騰周りの熱対向流場については気泡振動の影響を除くと同様の関係が成り立ち続けることや過熱状態を伴う沸騰においては気泡成長速度が過熱状態を伴わない場合に比べて早いことが起因して高い熱伝達率を実現していることなどが明らかになった。
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自由記述の分野 |
極低温工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当初の計画通り過熱状態の崩壊を記述する物理を明らかにすることが出来ず過熱状態を自在に活用する方法を提案することは出来なかった。しかし、沸騰しても気泡の運動以外沸騰前と全く変わらない熱対向流の性質が明らかになるなど超流動ヘリウムの液相の乱流状態と沸騰開始には強い相関が見いだされない事が判り示唆されることは、特別なトリガーが存在するわけではなく幾何学形状に由来する熱流束の不均一などの比較的単純な物理でのみこの過熱状態の生成崩壊が決定されている可能性が高い。このような考察を延伸すれば超流動ヘリウムが冷媒として使用される超伝導加速空洞のような応用においての設計指針に適応できると考えられる。
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