自然繁茂している河畔林の間伐や再植林により,比較的低コストで広範囲の流域をカバーできる.研究成果は,効果的な氾濫減衰のための防備林デザインを構築するもので,水防災・水減災・強靭なまちづくり(実用研究)に貢献し,水工災害学,河川工学に関連する幅広い分野において大きな意義をもつ.特に水路実験の高精度実測データは,防備林周辺の河床変動や浸食機構の解明をはじめとする河川力学の基礎学理(基礎研究)の重要課題の突破口としても期待され,学術的意義も大きいと確信する.さらに人工構造物と比べて防備林は整備しやすいため,本成果は伝統的水防対策の再考を促すきっかけとなるとともに全国的に広く波及すると考える.
|