これまでに特筆すべき進展として、「シナジー硬化現象」と「新たな延性発現」の発見、新材料創製プロセスの開発、などが挙げられる。調和組織材料は均一組織材料とは異なるHall-Petch則を示す。「シナジー硬化現象」はこれまで弾性域とされていた応力負荷のごく初期にすでに塑性変形により加工硬化が開始したことを示唆している。 これまでの研究で、「降伏とは何か?」、「延性とは何か?」という、学術的に意義深い問いを改めて突きつける成果が得られた。すなわち、われわれのこれまでの材料科学の知識・常識を打ち破るパラダイムシフトに結びつく。これらの成果は、新しい医療用デバイスの開発指針として意義のある成果と言える。
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