超高感度分子分析法として実用化が期待される増強ラマン散乱現象を利用した単分子センシング技術は、分子センシングに必須な金属ナノギャップ構造体の間隙制御性の低さゆえに、得られる信号が非常に不安定である課題がある。本研究では、ガラスナノピペットを用いたナノポア形成技術によって、上述の分子センシング技術の課題の克服を試みた。10nm程度の開口直径に形状制御したガラスナノピペットに対して、原子層堆積技術を用いることで、金属ナノギャップ構造をガラスピペット先端に再現性よく形成でき、さらに金属ナノギャップ間隔を数ナノメートルオーダーでよく制御できることがわかった。
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