スピンデバイスの課題の一つとして、スピン流発生部とスピン流検出部との間に存在するコンタミネーションによって、大幅にスピン流の検出効率が下がることがわかっている。本研究ではこの問題点を逆手にとった実験手法として、コンタミネーションの代わりに測定試料をスピンデバイス近傍に配置させたカンチレバーに取り付け、スピン流を検出することを目的とした。具体的には、超高分解能原子間力顕微鏡とスピンデバイスの技術を融合させ、スピンデバイスを改良したスピン流発生源近傍にスピン流と反応する試料が取り付けてあるカンチレバーを配置させ、スピン流との相互作用によって生じたカンチレバーの応答を高感度に測定する手法を考案した。
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